1: 田杉山脈 ★ 2018/07/27(金) 11:26:52.26 ID:CAP_USER.net
2008年7月10日にApp Storeが登場してから10周年。そのオープンから約1ヶ月後に行われた、今は亡きアップル元CEOスティーブ・ジョブズ氏のインタビュー書き起こしと音声データが公開されています(ただし購読が必要)。

当時米Wall Street Journal(WSJ)に在籍し、現在はThe Informationに所属する記者のNick Wingfield氏は当時のアップル本社に招かれ、ジョブズ氏にApp Storeについて様々な角度から取材。ジョブズ氏がモバイルビジネスが巨大化する展望を持ちながらも、その見通しを大きく上回って市場が急成長したことが伺える内容となっています。
まずApp Storeの戦略については、ジョブズ氏はiPodにおけるiTunesをモデルにしたという趣旨を回答。「インターネットサービスを通じてコンテンツを持ち込んでiPodというデバイスを強化した、それと同じことをiPhoneでやってるんです」と述べています。

我々はiPhoneを、インターネットでコンテンツを導入して強化しています。すでにiTunesの音楽コンテンツは配信していますが、アプリケーションも持ってきたわけです。
結果は... iPodとまったく同じ戦略だと思います。インターネット配信コンテンツでデバイスを強化する。iTunesを介さずに、PCなしでワイヤレスでデバイスに配信することができますし、アプリを自動更新も可能です。それはiTunesの経験ありきなんです

また、ジョブズ氏は最初の1ヶ月でApp Storeへのアプリ登録数が1500以上、開発者に2100万ドルを支払う盛況ぶりに興奮していたとのこと。ちなみに2018年4月時点ではアプリ登録数200万本以上、同6月時点で開発者は総額1000億ドル以上の収益を上げたと報告されています。

ジョブズ氏は同期間に6000万以上ものアプリがダウンロードされたことも誇っています。
我々はここまで大規模だとは思ってませんでした。モバイル業界では、こんなことは一度も見たことがありません。正直言って、コンピュータ業界にもなかったことです(笑)


が、やはり2017年までに累計180億ダウンロード(WWDC 2017にて公表)もの数字の前では、滑り出しは控えめだったとも思えます。

さらにApp Storeの将来に関しては、ジョブズ氏はいずれ10億ドル規模の市場になると予測していました。
たぶん、ある時点で10億ドルの市場になるでしょう。これは、頻繁に起こることではありません。全くゼロから10億ドルの市場が開拓されるんです。最初の30日間で3億6000万ドル、私がソフトウェアに携わってきたキャリアの中で、こんなのを見たことがありません

繰り返しになりますが、2018年6月時点で「開発者の収益」(全体の市場規模はそれ以上でしょう)は総額1000億ドル以上とされています。

ほか、興味深いのがゲームの重要性に言及しているくだりでしょう。ジョブズ氏は、すでにゲームがApp Storeの中で最大のカテゴリだと述べた上で、iPhoneを持っている人はゲーム機としての追加投資がゼロであり、ニンテンドーDSやソニーのPSP(どちらも当時は現役ハード)用ソフトの平均価格が30ドルに対してApp Storeが10ドル以下や無料であるという「安さ」と、すぐに配信される「速さ」を強調。

そして「iPhoneとiPod touchがこのホリデーシーズン(商戦期)に、モバイルゲーム市場で有力なデバイスとして登場するかもしれないと考えている」と語り、この時点で、既に携帯の専用ゲーム機と競合することを視野に入れていたようです。

今やApp StoreやGoogle Playなどスマートフォン向けアプリ市場は大きく成長し、日本の『Fate/Grand Order』が世界のゲーム収益トップ3に食い込んだことは先日もお伝えしたとおり。iOSのApp Storeアプリでは10周年を記念するかのようにシナリオライター奈須きのこ氏のインタビューも掲載されており、ゲーム市場の劇的な変動を振り返らずにはいられません。
07/26
https://japanese.engadget.com/2018/07/26/app-store-10/

【スティーブ・ジョブズ、App Store大成功の驚きを語る――約10年前のインタビューが音声込みで公開】の続きを読む